うんちは、生きている限り、出なければ困ります。不健康。でも場合によっては、出るとその処理が大変。そんなうんちの介護の実際を看護師目線で少し語ります。2分くらいかな?
オムツを使っているときにうんちが出たとき。男女を問わず大変です。トイレで座って用を足して入れば、うんちはお尻から出てきたと同時にぶらぶら空中をただよい、トイレへダイブしてくれます。多少お尻にくっつくかもしれませんが、まあ大したことはありません。
しかし、オムツの中で用を足した場合は、うんちはお尻に挟まれ、体から離れてダイブする場所もなく、もみくちゃにされ、オムツの隙間を縫って横たわります。においも出します。本人も周りもみんな不快です。一刻も早くオムツを交換しなければなりません。
そのためには、介護ベッドであれば、まずベッドを平らにします。そしてズボンを下ろす。オムツのテープを外して身体を横向きにし、オムツを開ける。オムツを開けたとき、うんちがうまくパッドに収まってくれていればパッドを替えて、お尻を拭きとればいいですね。うんちがオムツまで汚していたらオムツも交換。特に寝たきりの方の場合はオムツの当て方もコツがいります。オムツを開けたときに下手に動いたり動かしたりすると、うんちが周りに付着して二次被害の大惨事を招くことも。
とにかく最初、慣れるまでが大変です。赤ちゃんのオムツを変えていた経験があれば「うんち」というものへの抵抗は、いくぶん少ないかもしれません。でも作業の大変さとしては、赤ちゃんのオムツを変えるのとは全然違います。うんちも大人のうんちは赤ちゃんのうんちとは印象が違うと思います。
とまあ、うんちをしたときのオムツ交換は大変ということですが、冒頭に書いた通り、出ないと困るのもうんち。
個人差があるので何とも言えませんが少なくとも2~3日に1回は出てほしいな、と思います。たまに「私は昔から週に1回なのよ」という強者もおりますが。便が体内に長く貯留しているのはあまりよくないですから、いわゆる「下剤」を飲む方も多いです。市販薬だとコーラックとか。処方薬だと「酸化マグネシウム」「マグミット」あたりがよく耳にしますね。これは、吸収されにくい性質を持つ酸化マグネシウムが水分を引き寄せてうんちを柔らかく膨らませて「うんちしたい」という刺激を強め、出しやすくするものです(なので水分も一緒に摂取しないと効果的ではありません)。用法用量は、大枠は伝えた上で、本人任せにされることも多く、その場合、うんちが下痢気味になったら飲むのをやめます。逆に飲んでもうんちが硬くて出ない場合は、飲む量を増やします。他にも腸を刺激するタイプの薬など下剤にも何種類かあるので、自分にあったものを医師や看護師と相談してみましょう。気軽なところだとドラッグストアで相談するのも良いでしょう。
ちなみにosenbeは便秘改善・予防には1.水分摂取、2.運動、3.食物繊維摂取、4.腸内細菌の環境改善(乳酸菌の摂取)をお伝えしています。
出ないと困るけど、出ると困る。
おしっこならまだしも、うんちのおむつ交換はちょっと無理、というご家庭。あります。例えば小さいおばあちゃんが、寝たきりの大柄のおじいちゃんの介護をしている老々介護のご家庭。とてもとてもおじいちゃんの体を横に持ち上げたりなんてできません。
そういう場合、うんちが出るタイミングを調整することもあります。ヘルパーさんが来る時間・曜日に合わせて、とかデイサービスや訪問看護の時間に、とか。看護師ならグリセリン浣腸を使ったりおなかのマッサージをしたりしてうんちを半ば強制的に出すこともできるため、より確実にうんちのタイミングを調整できます。
こうすることで、おばあちゃんはおしっこのパッド交換だけで済み、介護も続けられるということにもなります。ちなみにおしっこは、「ちんまき」とか「じゃばら」という方法があって、こうした工夫も知っていれば介護がラクになります。ただ、お肌への悪影響が指摘されているので推奨はされませんが。
うんちについては他にも語ることがありそうですが、それはまたいずれということで。それではまた。
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