ハラスメント・モンスター

 世間一般的な話としてたまに話題となるモンスター。理不尽なことを求めてくる「怪物」。モンスターペアレントというのが先駆けかなと思いますけど、今はモンスターペイシェントとかモンスター社員とかモンスタークレーマー・カスタマーとか、いろいろ言われるようになりましたね。在宅支援サービスの利用者の中にもときどきいらっしゃいます、モンスター。

 たとえば、暴力をふるって困らせるモンスター利用者。

 つかむ、つねる、殴るといった力の暴力だけでなく、乱暴な言葉やにらみつける眼光、大きな音を立てるといったことなどもあります。もちろん、認知機能が低下していて防御本能のような場合もありますし、一概に「すべてが悪」とはいえませんが、暴力は、まあハラスメントの代表格のひとつですね。今はハラスメントに対してきっちりNO!と言える時代ですから、以前のように理不尽な嫌がらせに支援者が涙を呑んで頑張る必要もなくなってきているのでしょう。
 では、今はそういう時代だから「これはハラスメントです、もう支援はしません」と、契約終了を一方的に通告するようなことがあるかというと、実際のところはよっぽどのケースでない限りないでしょう。病気なんだから仕方ない、とかなんだかんだでたいていの場合はやり過ごすが多いと思います。そんなことで契約を終了させていたら、経営が成り立ちませんよ。とほほ、です。

 時代は2025年問題の真っ只中。つまり、団塊の世代が後期高齢者となりました。介護支援の利用者の大半はこの世代の方ですが、この世代の方が現役だったころは今のようなハラスメントへの社会的な対処はありません。いまだにその感覚で過ごされている方も当然多いわけで、なんというか、悪気がなくはないにしても、今の時代のそれとは違いますよね。

 とまあ、介護分野では利用者、つまりお客様によるハラスメントは頻繁かつ黙認されることが多いのですよ。

 そして本題。そんな背景もあり、訪問支援の現場ではカスタマーハラスメントは多い方だと思ういます。しかし、訪問看護師には看護の名のもとになんでも許す風潮というか文化というか考え方というか、自分たちがいなければこの利用者の生活、体調、人生は崩壊してしまう!というめちゃくちゃ強い責任感をもってやっている女神様のような人が多いのです、osenbeの肌感覚としては。なので、たいていのハラスメントは受け入れられてしまう。しかし、全員がそうかというと、当然そんなわけありません。でも仕事なので「はー、あそこのおうちは行きたくないなー」なんて思ってもいかなきゃいけない。頑張っているんですね。

ただ、ときどき度を越した利用者がいるんです。

たとえば、
 コップの置くところが数センチずれている!
 毛布のシワがよったままにされた!
 顔が気に食わない!

そして、お前みたいな未熟者に世話をされる私がかわいそうだ、二度と来るな!!バカヤロウ!!

といった感じ。
さすがにひどいですよね。でも、私たちがいなくなったらこの人は困ってしまう、と考えると支援をやめるわけにもいかない。契約した以上、他に受けてもらえるところがなければ付き合わなければならない。といって支援が続けられる。
と、徐々に看護師は心や体を壊してしまう。一人辞めて、また一人辞めて。すると残された看護師の負担はどんどん増加。当然、さらに辞めて、とうとう事業所がまわらなくなる。

たまにあるケースなんです。

訪問看護事業所、というのは社会インフラの一つです。なくなると困る人も多いです。けど、そうやって崩壊するケース、さらには看護師をやめてしまうこともあると思います。

モンスター、本当に問題です。
1人のモンスターのために、多くの人が困ることになります。

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