夜間頻尿

 夜はゆっくり眠りたい、眠ってほしい。冬の寒い時期なんかは、なおさらです。でもトイレに行きたくなってしまう。歳をとれば夜中にトイレに起きるのなんて当たり前。私は3回よ、わしは5回は行くな~なんて話はあるあるですね。そんなお悩みはよく伺います。医療・介護関係者は、夜間頻尿と聞くとイコール「転倒リスク」です。

 おうちかいごの場合、夜間のトイレは本人だけの問題ではなくなってきます。例えば、足が弱っているために、家族が一緒に付いていかなくてはならない場合。そうすると、かいごする家族も起きなくてはなりません。そうすると、家族も徐々に疲れてきます。よく眠れない日が続き、心身が疲れてくると、おうちかいごにも影響は出てきますね。
 もちろん、本人も睡眠がぶつ切りになることで、寝不足状態になり、徐々に活動性も低下したり、体調を崩したりと、苦痛になります。昼間に寝てしまって昼夜逆転になってしまったりも。

 そこで、対策。寝る前にトイレに行っておき、寝る前に水分は摂らない。夜だけリハビリパンツと尿パッドを使用してトイレに行かないようにする。医師へ相談して頻尿に効く薬を出してもらう。
 あと、足に浮腫があると、布団に横たわることで足の水分が胴体(腎臓)に戻ってきて、オシッコが増えてしまい、夜中のトイレにつながります。なので、寝る前に足を心臓より高くしておくと浮腫が軽減して夜中のトイレが少し減ります。
 夜間頻尿は、QOLの低下にジャブのように効いてくるので、仕方がないことだしとやや軽視されがちですが、できる手立てはとったほうが良いと思います。

 オシッコでトイレに行くという行為は、全員ではありませんが、その人の尊厳に大きく関わることで、なかなか譲れない行為であったりもします。終末期せん妄、つまりもう亡くなる直前で意識がもうろうとしている方が、周囲の制止を振り切り、這いつくばってでもトイレに行こうとする、といったことはちょくちょくあります。オムツの中で失禁はできない!膀胱留置カテーテル(いわゆるオシッコの管)が入っているけどトイレに行く!それくらい「トイレに行く」というのは、自分の尊厳を守るために大切なことなんですね。

 夜間頻尿、場合によっては結構難しいお悩み相談だったりします。

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